台湾のパスポート


台湾」に注目ですよ!

国際線ターミナルの出発階にある「情報ひろば」の入国管理局のコーナーには、各国のパスポートの展示見本が並んでいるが、Aさんが前々から気になっていたのが、台湾のパスポートについて、「中国(台湾)」と表示されていたことだ。

ちなみに香港パスポートに関しては「中国(香港)」とあった。もちろんそれは中国領香港だから問題なしとしても、しかし台湾は中国領などではない。

「国や地域の名称は法務省で使っている統計、報告書で使用している表記に合わせてある」との表示もあったとか。

要するに法務省入国管理局による外国人登録では、「台湾」は不条理にも「中国」とされ、登録上「中国」国籍を押しつけられる在日台湾人を苦しめてきたが、ここでもそんなバカなことが反映されていたわけだ。

そうした中、今年七月に外国人登録が廃止され、在日外国人に公布される外国人登録証が在留カードに切り替えられたのを機に、在日台湾人の出身地表記も「中国」から「台湾」へと改められた。

そこでそのことを知っていたAさんは、思い切って「情報ひろば」備え付けの入管宛の意見箱に、「台湾のパスポートの説明書きも「中国(台湾)」から台湾に直して」との要望を入れたそうだ。

こうした行動はささやかなことのようではあるが、実はそんなことはない。普通の人なら「台湾(中国)」に違和感すら抱かないだろう。違和感は持ったとしても、他人(台湾)のためにそこまでやる者はどれだけいるだろう。

そしてその結果、見事「台湾」に改められたと言う。

これで台湾人の乗客も、あんな展示で尊厳を傷つけられ、日本の台湾人への仕打ちに不信感を抱くこともなくなるはず。大きな「戦果」だ。

さて、なぜ外国人登録で「中国」と誤表記されていたかだが、それは中国が台湾併呑を正当化するために「一つの中国」との虚構宣伝を行っているからだ。

入管はそれに騙されたと言うより、騙されたふりをしていた。ただただ中国の宣伝圧力に屈してだけなのだ。

こんな人々が日本の入国管理をやっているのである。「中国(台湾)」の表示と、「法務省の表記に合わせてある」との言い訳文は、そうした事勿れ主義の無様な象徴と言えた。

しかし「台湾併呑」の正当化など許していいのだろうか。それはすなわち「アジア・太平洋地域における覇権確立」を意味するのだ。困るのは台湾だけではなく、日本もなのである。

「今後とも国のために自分でできることを頑張りたい」と話していたAさん。国を思う良識の人と見受けるが、実際に今回はこのようにして、台湾人の前で日本の国の名誉を守ったばかりか、危険極まりない「一つの中国」の宣伝をも打ち破ることにも成功している。

もっとも政治的な話はどうであれ、日本の強みは「まごころ」だ。あるいは「まごころ」に発する「勇気」である。

羽田空港で「台湾」のために行動し「日本」の名誉を守った職員のエピソード

「今年七月に外国人登録が廃止され、在日外国人に公布される外国人登録証が在留カードに切り替えられたのを機に、在日台湾人の出身地表記も「中国」から「台湾」へと改められた。」ことは一般家庭の人は知らないだろうなぁ。