宮崎正弘の国際ニュースより

(読者の声1)園遊会で天皇陛下が憑寄台台湾経済文化代表所代表に台湾の東日本震災への支援に感謝の言葉を述べられたことが話題になっています。
政府のありかたとのコントラストが鮮やかすぎて眩しいほどです。
先日、日本に留学している台湾人留学生に会いました。その学生の父親は親日家の大金持ちで、東日本大震災の義捐金数億円の提供を日本政府に申し入れたところ断られたそうです。
その学生は先日の慰霊祭での台湾代表への日本政府の扱いに関して、「あとで民間の人たちが行ってくれたことに対して台湾の人たちは喜んでいる」と言っておりました。
先日、産経新聞に米国人の大金持ちで多額の義捐金を東日本大震災被害者に出したいと思っている人で日本政府の対応をみているととても日本政府には出せないので、どこかまともな団体があれば出すという人が多くいるという記事がありました。
この記事を読んで思い出したことがあります。
20世紀の初め、サンフランシスコで大地震があった後、日本政府は各国政府のうち最大の義捐金を送りました。それに加え、救助隊と地震調査のための学者を日本から送ったのですが、白人至上主義者の米国人たちに行く手を阻まれ現地に行けなかったそうです。
このことを知って、大変に残念に思った大金持ちの米国人がいました。その人は関東大震災のあと、東京帝国大学に図書館を寄付しました。大理石つくりのかなり大きな建物で、おそらく現在の貨幣価値で100億円はかかったと推察いたします。
安田善次郎はどケチで有名で、寄付を求めて尋ねるとすべて追い返したそうです。
しかし死後、匿名で莫大な寄付を方々でしていたことがわかりました。人間はいろんな面がある不思議なものです。
ちなみに東京帝国大学に図書館を寄付したのはディヴィッド・ロックフェラー氏です。
(ST生、千葉)


宮崎正弘のコメント)新聞社や赤十字に義援金を送っても、いったい何時、どの自治体へ行くかもわからないので、直接トラックに支援物資を積んで被災地へ赴いた人々が山のようにいた。小生の周辺だけでも、荷物を梱包し、トラックを用立てて、何回も何回も被災地を往復した人がたくさんおります。