家庭内 Wi-Fi 最適化

Wi-Fi は電波を利用します。なので本質的に不安定です。周囲にどれくらい同じ周波数を使う電子機器があるか、近くに電子レンジがあるか、などなど様々な要因で不安定になります。

また、 Wi-Fi は基本的に半二重通信といって、昔のトランシーバーのように1つの端末が話しているとその同じ周波数を使っている他の端末は通信ができず、また送信をしているときは同時に受信できません。ダウンロードしている時にはアップロードができないのです。なので同一の Wi-Fi アクセスポイントを使う端末が増えるほど、通信ができない待ち時間が増え、実効速度が落ちます。

つまり干渉を減らし、かつ同じ Wi-Fi アクセスポイントを使う端末を減らす、つまり Wi-Fi で使っている周波数帯の占有時間を減らすと、それだけ Wi-Fi は安定し実効速度が上がります。

また有線 LAN 、つまり Ethernet は本質的にこのような問題がありません。 Ethernet は全二重通信なので、同時に送受信が行え、電波など外的要因で実効速度が落ちることもあまりありません。例えばお持ちの MacBookWi-Fi でなく Ethernet でインターネットにつないでみると、問題ばかりだった自宅のインターネットが驚くほど問題なく使えたりします。

つまり家庭内の通信に占める Ethernet の割合を増やすと、それだけ Wi-Fi は安定し実効速度が上がります、と言ってもいいでしょう。

Wi-Fi の速さ

そして新しい Wi-Fi ルーターは「 4800 Mbps 対応!」等の最高速度を謳うものがありますが、これもある程度の速度以上はあまり意味がありません。このような理論上の最高速度が実使用上出ることはほとんどない上に、そのような広帯域が必要な用途がそもそも無いからです。

例えば Webex などのビデオ会議は 5 Mbps 、解像度の高い 4k のストリーミングもせいぜい 30 Mbps です。またそのような最新規格の Wi-Fi ルーターを買ってきても、使っている iPhoneMacBook やプレステや Switch がその規格に対応してなければ何の意味もありません。

実際のダウンロード・アップロードのスピードは自宅の Wi-Fi の速さ以外にも、契約しているインターネット回線の速度、通信している先のホームページ・サーバーの帯域や、途中の経路の帯域、パケットの遅延などの様々要因に影響を受けます。なので Wi-Fi だけ速くてもしょうがないのです。

そして Wi-Fi の最高速度を上げる技術にはピーク速度を上げる代わりに安定性が下がるものがあります。例えば最近の Wi-Fi ルーターで用いられるチャンネル・ボンディングですが、これは複数の Wi-Fi チャンネルをまとめて同時に使い、最高速度を上げるものです。複数のチャンネルを使うので、複数のチャンネルで干渉する可能性が上がります。 Wi-Fi は干渉があれば実効速度が下がるので、せっかく複数チャンネルを用いて速度が上がるはずが、周りにアクセスポイントの多い都市部や集合住宅では、速度が落ちることもあります。


ちなみに Wi-Fi には様々な規格と実効速度や効率を上げるようにする技術があります。こちらの記事などが詳しいです。

Wi-Fi速度のギモンを解消。2019年版Wi-Fiの教科書

ただし繰り返しになりますが、 Wi-Fi が半二重通信で送受信が同時にできない制約は変わりません。なので、 Wi-Fi の占有時間をなるべく下げるのがいいのは、最新規格の Wi-Fi であっても変わりません。

昨今のアプリケーションを考えると、家庭内の Wi-Fi は 200 Mbps も出れば十分ではないかと思います。 200 Mbps 出ていれば、あとは速度を上げるより、複数の端末が使っていても速度が落ちない、急に通信ができなくなったりしない等々、安定性を上げることの方が重要ではないかと思います。


引用元:家庭内 Wi-Fi 最適化術 | yabe.jp


1. 5Ghzを使う。

2. ゲ-ム等は有線で。

PS4は壁配線で使っている。


関連:


配線モール、壁への付け方|失敗から学んだ壁紙の状態と支持力の関係