台湾問題の基礎知識

台湾、中国からの批判にさらされた斉藤正樹氏の「台湾の地位は未確定」との発言についても、「斉藤氏の個人的発言」として庇護することはしなかった。

多くの日本人は未だ発言の重要性に気づいてない。
台湾問題の基礎知識―日本は台湾を「返還」していない

台湾返還はなかった

台湾は戦前まで日本の領土だったが、戦後は中国の領土になったと言われる。と言うことは、日本と中国との間で、必ず台湾割譲に関する国際条約が締結されているはずである。

中華民国であれ中華人民共和国であれ、中国政権はこれまで、「カイロ宣言」なる「条約」がそれだとしてきた。つまり同宣言によって日本は台湾を中国へ「返還」したと主張してきたのだ。近年では江沢民温家宝も、「カイロ宣言によって台湾は中国に一部になった」と、国際社会に向けて堂々と強調してきた。

中国人がそのように言い続けるので、それが事実だと思う日本人も少なくない。いやむしろ、「一九四五年台湾返還説」は「常識」にすらなっている。そのように書く教科書もあるくらいだから、検定でそれを合格させる文科省も同じ認識なのだろう。

ところがこのほど、「カイロ宣言」の当事国である米国の国立公文書館には、この「条約」の原本が収蔵されていないことがわかった。これはFAPA(台湾人公共事務協会)の依頼を受けた同館の調査で明らかになったもの。それはなぜか。同館によれば「カイロ宣言は条約でも行政協定でもなく、単なる声明に過ぎない」から。

「カイロ宣言」なる条約は存在しない。だからその原本が最初から存在していないことなど、早くからわかっていたが、米国政府が同宣言の法的効力を公に否定したのは今回が初めてだ。

それでは戦後、日本は何の条約に基づいて台湾を中国へ渡したのか、と言うのか日本人に自然ともたれる疑問であろう。

そういう問題は外務省の管轄だから、そこへ問い合わせればよい。きっと「日本はサンフランシスコ条約で台湾を放棄した。しかし台湾の新たな帰属先は決められなかった」との回答があるだろう。つまり「台湾は中国の一部」にはならなかったと言うことだ。

何しろ日本の外務省は台湾放棄の当事者だから、歴史の真実を一番知っているのである。

ところが一番真実を知っているのが外務省なら、一番それ隠そうとしているのも外務省なのだ。同省が「台湾は中国の一部」との中国の主張に沿って台湾問題を処理していることは有名だ。公文書で台湾の総統と書く場合、カギカッコをつけて「総統」と表示するのは中国以外には外務省だけだろう。「台湾は中華人民共和国の領土につき、台湾の総統など正式なものではない」と言っているのだ。

そう言えば文科省は、教科書検定で台湾を中国領土扱いするのも、その根拠は外務省作成の資料だと言っていた。

「カイロ宣言」のウソに関心が高まりつつあるなか、外務省はこれからも平然と中国のそのウソに付き合って行くのだろうか。やがてこうした外務省の媚中行為が「国家犯罪」と広く認識される日も遠くないだろう。何しろ中国の台湾併合のお手伝いをしてきたのだから。


引用元: 台湾返還はなかったー史実を隠す外務省の犯罪
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