バランスシート不況

バランスシート不況が長引くと、民間企業も家計も金を借りなくなるから、国家が借金をして財政支出を支えない限り、GDPは低下してしまう。これをデフレギャップの調整と呼ぶ。この「バランスシート不況」という専門用語は、野村総研リチャード・クー氏が提唱したものであるとされるが、国際決済銀行(BIS)のカルアナ事務総長も遂にこの用語の英語版である“balance sheet recession” という用語を使い始めたようだ。

Central banking in a balance sheet recession

―――2012/04/03付 BISサイトより

BISのカルアナ氏によると、不況期に中央銀行が金融緩和などの異例な政策を採用すれば、時間を稼ぐことはできるものの、これが長引けば中央銀行の打つべき政策もなくなり、これに加えて中央銀行の政治的独立性が毀損される、という当たり前の事実を指摘している。原文が英語で恐縮だが、中央政府の政治家を目指す方には、是非皆様に読んで頂きたいものだ。

新宿会計士の出張所より