「南京事件の真実を検証する会」が抗議書

宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 通巻2868号 より
 
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 日中共同歴史研究の報告書は「曲学阿中」だ
南京事件の真実を検証する会」が抗議書
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 日中歴史共同研究の報告書が1月31日に発表されました。
皆さますでにご存じのように、共産党独裁国と共同歴史研究など行うこと自体間違っていますが、報告書は予想通り、「曲学阿中」の学問の名に値しない、売国的なものでした。
 このほど「南京事件の真実を検証する会」会長 加瀬英明氏、事務局長 藤岡信勝氏は共同で、下記の通りの抗議声明を出されました。
史実を世界に発信する会」では、これを英文にしてサイトに掲載し、又世界の多くの識者・マスコミに案内します。

                       平成22年2月8日

「日中歴史共同研究報告書に抗議する」
     加瀬 英明 「南京事件の真実を検証する会」 会長(外交評論家)
     藤岡 信勝 「    々        」 事務局長(拓殖大学教授)


去る1月31日、日中歴史共同研究の報告書が発表された。学術研究は、国家の政治に従属し、奉仕するものされている共産党支配の独裁国家と、歴史の共同研究を行おうということ自体おろかなことである。案の定、南京事件に関して中国側は相も変わらず、30万虐殺宣伝に終始した主張を繰り返した。こんなものは研究の名に値するものでないことは言うまでもない。

より問題であるのは、日本側の学者が、近年急速に進んだ南京事件についての研究結果をこの共同研究の場に提起するのではなく、デタラメ極まりない東京裁判において主張された20万虐殺論をベースとする古色蒼然たる時代遅れの南京虐殺論を報告していることである。虐殺があったという固定的な前提に基づいて事実をつまみ食い的に集める、学問とは程遠い俗論である。
 絶対的な重みを持つ最新資料として、東中野修道亜細亜大学教授が台北にある国民党党史館で発見した「国民党宣伝部国際宣伝処工作概要1938年〜1941年4月」という「極機密」印の押された内部文書がある。ここには南京戦を挟む10ヶ月間に漢口において外国人記者を招いて100回に記者会見をしたことが詳しく記されている。
しかしながら日本を非難する目的のこの記者会見において、ただの一度も南京で日本軍が市民虐殺をしただとか、捕虜の殺害をしただとか発表していないのである。何十万という虐殺がありながら、一言も言わないなどという事がありうるのか。このことに全く触れた形跡のないこの報告書は、学問研究の価値ゼロの代物である。

南京事件の実態はいまや明らかとなってきた。我々は2008年5月、胡錦涛主席来日の折に、添付の公開質問状を提出した。5点の質問項目は、南京事件の実態を明らかにするための根幹的な重要事項である。
しかしながら未だに胡錦涛主席からの返事はない。当然のことながら我々は答えられないためである、と解釈している。北岡座長をはじめとする委員に質問する。

この5項目に対して貴殿らはどのように考えるのか。あのような報告書を書いた当事者としてこれに答える責任があるはずである。回答を要求するものである。
 以上

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<添付>

胡錦濤国家主席閣下への公開質問状」

このたび中華人民共和国国家主席胡錦濤閣下のご訪日に当たって、日中両国の友好を願う者として心より歓迎申し上げます。
さて、われわれは1937年12月に行なわれた日中南京戦に伴って起こったとされる所謂南京事件を検証すべく、研究して参りましたものです。貴国のこの事件に対する見解とその取り扱いにつき、深刻な憂慮を感じております。昨年南京屠殺記念館が大規模に拡張改装されましたが、一方で友好を唱えながらこのような非友好的なことを平然と行なう貴国に対して強い不信の念を感じざるを得ません。そもそも南京で大虐殺があったという論拠は最近の研究によって根本的に否定されつつあります。以下重要な5つのポイントについて閣下のご見解を伺いたく、謹んでご質問申し上げます。

一、故毛沢東党主席は生涯にただの一度も「南京虐殺」ということに言及さ  れませんでした。毛先生が南京戦に触れているのは、南京戦の半年後に延安で講義され、そして『持久戦論』としてまとめられた本の中で「日本軍は、包囲は多いが殲滅が少ない」という批判のみです。30万市民虐殺などといういわば世紀のホロコーストとも言うべき事件が本当に起こったとすれば、毛先生が一言もこれに触れないというのは、極めて不自然で不可解なことと思います。閣下はこの事実について、どのようにお考えになられますか?

二、南京戦直前の1937年11月に、国共合作下の国民党は中央宣伝部に国際宣伝処を設置しました。国際宣伝処の極秘文書『中央宣伝部国際宣伝処工作概要』によりますと、南京戦を挟む1937年12月1日から38年10月24日までの間に、国際宣伝処は漢口において300回の記者会見を行い、参加した外国人記者・外国公館職員は平均35名と記録されています。
しかしこの300回の記者会見において、ただの一度として「南京で市民虐殺があった」「捕虜の不法殺害があった」と述べていないという事実について閣下はどのようにお考えになられますか。もし本当に大虐殺が行なわれたとしたら、極めて不自然で不可解なことではないでしょうか?

三、南京安全区に集中した南京市民の面倒を見た国際委員会の活動記録が『Documents of the Nanking Safety Zone』として、国民政府国際問題研究所の監修により、1939年に上海の英国系出版社から刊行されています。それによりますと、南京の人口は日本軍占領直前20万人、その後、ずっと20万人、占領1ヵ月後の1月には25万人と記録されています。この記録からすると30万虐殺など、到底ありえないとしか考えられませんが、閣下はいかがお考えでしょうか?

四、さらに『Documents of the Nanking Safety Zone』には、日本軍の非行として訴えられたものが詳細に列記されておりますが、殺人はあわせて26件、しかも目撃されたものは1件のみです。その1件は合法殺害と注記されています。この記録と30万虐殺という貴国の主張とは、到底両立し得ないと考えますが、閣下はいかが思われますか?

五、南京虐殺の「証拠」であるとする写真が南京の屠殺記念館を始め、多くの展示館、書籍などに掲載されています。
しかしその後の科学的な研究 (『南京事件の「証拠写真」を検証する』(東中野他・草思社)など) によって、ただの1点も南京虐殺を証明する写真は存在しないことが明らかとなっております。もし、虐殺を証明する写真が存在しているのでしたら、是非ご提示いただきたいと思います。そのうえで検証させていただきたいと思います。

以上述べました5つの点は南京で大虐殺があったなどということを根本的に否定しているものとわれわれは考えざるを得ません。上記5つの点につきまして、閣下のご見解を承ることができれば幸いです。この問題は多くの日中国民の関心事と考えますので、公開質問状として提出させていただきます。子子孫孫までの日中友好を願うものとして、閣下のご高配を、衷心から期待しております。
                平成20年5月5日
                 南京事件の真実を検証する会委員一同

(会長)加瀬英明 (事務局長)藤岡信勝 (監事)冨沢繁信 茂木弘道
(委員)阿羅健一 上杉千年 小林太巌 杉原誠四郎 高池勝彦 高山正之 東中野修道 
溝口郁夫 宮崎正弘