茨城空港の「絶望と悪夢」

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平井修一のメルマガ「ガツンと一発」           
平成22年('10)2月8日第409号より

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茨城空港の「絶望と悪夢」
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平井修一

最後の地方空港と言われる茨城空港は、自衛隊百里飛行場との共用のため建設コストは通常の半額だというが220億円である。3月11日に開港するものの、仏作って魂入れず、器はできても飛行機が飛んでこないのだからどうしようもない。

アトラクションのないテーマパークみたいなもので、まるでハウステンボスだ。営業すればするほど赤字が累積する。茨城県民のオモチャだな、笑うほかない。

就航が決まっているのは韓国アシアナ航空のソウル線と、スカイマーク航空の神戸線だけ。茨城から神戸へ行く人はまれで、伊丹に入りたかったのだろうが発着枠がとれずに神戸になったのだろう。

定期便以外に旅行シーズンにはチャーター便を飛ばすようだが、市場が小さいものだからコストはべらぼうに高く、GWの3泊4日のグアムが16〜24万円! 成田から行ったほうがはるかに安いのではないか。

茨城県の航空需要予測は悪い冗談というほかない。就航想定路線は北海道・大阪・福岡・沖縄で、開港時は年81万人だという。夢を見るのは勝手だが、現実との何という乖離! 1日あたり往復で600人が利用しても年22万だから4分の1の需要しかない。閑古鳥が鳴くからテナントも入らないだろう。ビジネスモデルが完全に破綻している、開港前から!

1日往復4便とはいえ最低限の地上職員やらCIQ(税関、出入国管理、検疫)の要員も置かなければならないからすさまじいほどの高コストになる。1日も早く閉鎖するほうが県民・国民のためである。

茨城県は開港を控えて「応援メッセージ」を募集している。

<2010年3月11日、いよいよ茨城空港が開港します。
世界とつながる、新しい玄関の誕生です。

そこで、開港を迎える皆様の思いを込めた応援メッセージを募集します。

「ぐっと身近になった韓国、何度も行きたいです」「初めての海外旅行、ドキドキします」「世界中の人に茨城に来て欲しい」「はじめて乗る飛行機が楽しみです」などなど、
茨城空港への期待や夢をお寄せ下さい>

悲しいくらいの能天気。はしゃいでいる場合ではないだろう、「期待や夢」どころか「絶望と悪夢」で、ここは県知事以下が青ざめる場面なのだ。いかに損失を抑えて撤収するか、県議会の重要議題にすべきである。

同感。富士山静岡空港の例を見ていても何も考えないのか。嗚呼。