河井継之助の書


たみはくにのもと りはたみのやとい

渡部亮次郎のメイル・マガジン 頂門の一針  第394号より

最近は卒業と入学の季節である。卒業式で校長がめでたい席なのに校長
が卒業生を貶したので驚いた。「卒業証書 右のモノは本校の云々」

これは「右は」と読むべきを校長、漢文を習っていない世代なものだか
ら恥を晒しているのである。

「者」という字は「は」と読む場合があるのだ。楚者と書いて「そば」
と読ませている蕎麦屋を見かけるのはそのためである。「右者・・・」
と書いて「右は・・・」と読んだのだ。

それを戦後しばらくして高校の授業から漢文を無くすか減らすかしたた
めに「右しゃ」と読んだり、遂には「右の者」と読むに至った。相手を
「右のもの」とは誠に失礼な話だ。