メトリックを利用したルーティングの制御

「メトリック」を検索していて見つけた。

インターフェイスの切り替えにともなう注意点

 以上では、100BASE-TXケーブルの抜き差しによるデフォルト・ルートの変更について解説しているが、このケーブルの抜き差しはいつでも行えるわけではないことに注意していただきたい。その原理を考えると分かるが、これは、100BASE-TXイーサネットインターフェイスを有効にしたり、無効にしたりしている。その結果、より優先度の低い無線LAN側のルートが無効になったり、有効になったりして、デフォルト・ルートが切り替わっている。

 無線LANインターフェイスに対して割り当てられたIPアドレスは、システムを起動してから終了するまで(DHCPサーバ側で変更したりしなければ)ずっと同じである。それに対してイーサネット側のIPアドレスは、有効になったり、無効になったりする。もしイーサネット側のIPアドレスを使って動作しているアプリケーションがあると、ケーブルを抜いたとたんにTCPUDPのソケットが無効化され、上位アプリケーションには通信エラーが伝えられる。例えばメールの送受信処理中やInternet Explorerなどを使ったブラウズの途中でケーブルを抜くと、それらのアプリケーションはエラーを起こし、終了してしまうことになる。ファイルの転送やFTPによる送受信処理などもエラーとなるだろう。

 だが、実際にはWindowsネットワークにおけるファイル・サービスなどは、通信が一時途絶えたとしても、何度か自動的にリトライを行うようになっている(IPアドレスが変わっても問題ない)。またメールを始めとして、Windows上のアプリケーションは、実際に送受信中でなければIPアドレスが変わったりしてもエラーとはならないものが多いし、ユーザーが明示的に再処理(再表示)などの操作を行えば、問題なく処理を継続できる場合も多い。

 このような事情があるため、ネットワーク・ケーブルの抜き差しによるデフォルト・ルートの変更は、まったく問題がないとはいえないが、現実的にはかなりの場面で有効に使えると思われる(特にクライアント用途では)。ネットワークのトラフィックが(明らかに)発生しているときにケーブルを抜き差しするのは問題だが、システムがアイドル状態(外部との通信が行われていない状態)ならば構わないだろう。あえていうならば、システムをサスペンドリジュームするような感覚で(これらを行う場合は、何も作業をしていないのが普通)、利用するとよいだろう。


ソ-ス:
@IT:Windows TIPS -- Tips:高速なネットワーク・インターフェイスを自動的に選択可能にする
http://www.atmarkit.co.jp/fwin2k/win2ktips/293autometric/autometric.html

関連:
ソ-ス:
Windowsで有線・無線ネットワークの優先度を設定する方法 | ライフハッカー[日本版]
http://www.lifehacker.jp/2013/05/130508force_cable_connection.html