Emacs 用語


2.2 用語

この節では、Emacs について読んだり使ったりする時に 遭遇するであろう、最も基本的な Emacs の用語を取り扱います。

バッファ & ファイル

いくつかのエディタとは異なり、Emacs でファイルを開いた時には、 そのファイル自体は入力作業中では ``open'' 状態になっていません。 その代わりに、Emacs はメモリ中の バッファ に ファイルを読み込みます。 バッファを編集してデータ作業を行っている間、ディスク上では 何も変化しません。 実際にバッファを保存する時だけ、ディスク上のファイルが更新されます。 この方法には利点も欠点もありますが、大切なことは、 このように動いていることを理解することだけです。

Emacs の文書、モード、パッケージ、その他で使われている ``バッファ''という用語を目にすることになるでしょう。 バッファは ``現在メモリ中にあるファイルのコピー'' を意味することを はっきりと認識しましょう。 そう、バッファは必ずしもディスク上の特定のファイルを指していなくても よいんです。 しばしば Emacs は、実行したコマンドの結果としてバッファを作ります。 そのようなバッファには、コマンドの結果、選択用のリストなどがあります。

ポイント & リージョン

Emacs 特有の言葉として、ポイント という言葉を しばしば見聞きするでしょう。 一般的な用語では、ポイントはカーソルです。 初めて Emacs に取り掛かる時は、ポイントとカーソルの間の 実際の区別はおそらく重要ではないです。 しかし、好奇心を押さえられないのであれば、それについては このように考えてください。 カーソルはポイントの視覚表現です。 カーソルはいつも現在のバッファの特定の文字の位置の``上''にあります。 一方、ポイントは、バッファ中の 文字の間の場所に存在します。 つまり、もしも単語 ``the'' の文字 `h' 上にカーソルがある場合、 ポイントは `t' と `h' の間にあるということができます。

多くの近頃のエディタと同様、Emacs は現在のバッファのある部分に 命令 (インデント、スペルチェック、カット、コピー、ペースト、…) を実行することを許しています。 キーボードやマウスを使ってテキストのブロックをハイライト (あるいは ``マーク'') することができ、テキストの選択されたブロックに 対して命令を実行することができます。 Emacs では、テキストのそのようなブロックのことを リージョン と呼びます。

ウィンドウ

さて、これは以前 GUI を使用したことのある人を少し混乱させるでしょう。 EmacsGUI とウィンドウマネージャが一般的になるよりも ずっと以前から開発されていたことを思い出してください。

Emacs での ウィンドウ は、バッファが表示されている スクリーンの領域のことです。 最初に Emacs を起動したとき、スクリーンには 1 つのウィンドウがあります。 いくつかの Emacs の機能 (ヘルプやドキュメント) は、しばしば [ 一時的に ] Emacs のスクリーンに追加のウィンドウを開きます。

Emacs のウィンドウは GUI の感覚での X のウィンドウとは 何の関係もありません。 Emacs のバッファを表示するために追加の X のウィンドウを 開くことができ、2 つのファイルを横に並べて比較することもできます。 それらの新しい X のウィンドウは、Emacs 特有の言葉で フレーム と呼びます。 次を読んでください。

フレーム

Emacs では、フレーム は Emacs のバッファが表示されている、 別々の X のウィンドウです。 しかし、その両方とも同じ Emacs のセッションの一部です。 その振る舞いは、Netscape Navigator で Alt+N を押した時に 起こることと、すこし (ほとんどではない) 似ています。


引用元: Emacs Beginner's HOWTO: Emacs の実行,
http://archive.linux.or.jp/JF/JFdocs/Emacs-Beginner-HOWTO-2.html