民主党では駄目だ。(2)

主権侵害は逮捕・起訴を。

 香港の活動家らによる尖閣諸島不法上陸事件で、沖縄県警は入管難民法違反(不法入国)容疑で逮捕した中国人を検察庁に送致せず、入管当局に引き渡し、活動家は強制送還された。

 今回の措置は同法65条の「他に罪を犯した嫌疑のないときに限り…入国警備官に引き渡すことができる」との規定によるが、その趣旨は不法就労など単純事案は国内法で処罰するより、早急に国外退去させ違法状態を解消するほうが法の趣旨に沿うためだ。今回のように日本の領土や主権を侵害する目的での確信犯的な不法上陸事案は、極めて悪質な刑事事件として当然、逮捕、起訴すべきだった。

 問題なのは、今回の措置が同法の規定に基づく「刑事事件としての当然の措置」のように説明されていることだ。この種の事件に厳正な刑事処分を行わない判断が「当然の判断」とされるなら、わが国はもはや国家としての体をなしていないと言わざるを得ない。

 弱腰な措置の背景には、刑事司法機関としての厳正な対応と、外交上の適切な判断や対応を両立させる枠組みが、現在の日本では全く機能していない実情がある。その原因となっているのが、陸山会事件での虚偽捜査報告書作成問題など不祥事が相次ぎ、信頼を失墜し、重要事項の主体的判断すら困難になっている「検察崩壊」の現状だ。このような状況が続けば、わが国は主権国家として最も基本的な機能すら失われてしまいかねないことを、われわれは再認識すべきだろう。

【領土を考える】弁護士・郷原信郎氏「主権侵害は逮捕・起訴を」 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120828/crm12082822150026-n1.htm