長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典

 67年前の今日、原子爆弾が長崎を襲い、約7万人もの尊い命が一瞬にして奪われ、多くの市民が筆舌に尽くしがたい苦痛を受けられました。長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典に当たり、原爆の犠牲となられた方々の御霊に謹んで哀悼の誠を捧げます。今なお原爆の後遺症に苦しまれている方々に、心よりお見舞いを申し上げます。

 人類は、核兵器の惨禍を決して忘れてはいけません。唯一の戦争被爆国として核兵器の惨禍を体験した我が国は、人類全体、地球の未来に、崇高な責任を負っています。それは、この悲惨な体験の「記憶」を次世代に伝承し、「核兵器のない世界」を目指して「行動」する情熱を世界中に広めていくことです。

 被爆から67年を迎える本日、核兵器廃絶と世界の恒久平和の実現に向け、憲法を遵守し、非核三原則の堅持を、ここに改めてお誓いいたします。

 被爆体験を語っていただける方々もかなりのお年となられ、被爆体験の伝承は歴史的に重要な局面を迎えつつあります。「記憶」を新たにする社会基盤として重要なのは、軍縮・不拡散教育です。公的部門だけでなく、研究・教育機関、NGO、メディアなど、幅広い主体が熱心に取り組んでおられます。市民自らの取り組みが大きな原動力となることを忘れてはなりません。被爆体験を世界に伝える、世界49か所での「非核特使」の活動に、改めて感謝を申し上げます。これからも、「核兵器のない世界」の重要性を訴え、被爆体験の「記憶」を伝承する取り組みを後押ししてまいります。

 8月10〜11日、長崎市国連大学の協力を得て、「軍縮・不拡散教育グローバル・フォーラム」を開き、軍縮・不拡散教育のあり方を議論する予定です。

 「核兵器のない世界」の実現に向け、国際社会も確かな歩みを進めています。昨年、米露の「新START」が発効し、我が国が国連総会に提出した核軍縮決議が圧倒的な賛成多数で採択されました。世界全体の大きなうねりにしていかなければなりません。

 原爆の後遺症に苦しむ方々に目を向けることも忘れてはなりません。認定制度のあり方については、有識者や被爆者団体などの関係者にご議論いただき、6月に「中間とりまとめ」をいただきました。原爆症の認定を待つ方々を一日でも早く認定できるよう、最善を尽くします。

 東日本大震災東京電力福島第一原子力発電所の事故から、1年以上が経過しました。脱原発依存の基本方針の下、中長期的に国民が安心できるエネルギー構成の確立を目指します。

 結びに、原爆の犠牲となられた方々のご冥福と、被爆された方々、ご遺族のご多幸を心からお祈りし、参列者並びに長崎市民のご健勝を祈念申し上げます。

引用元:野田首相、長崎平和祈念式典での挨拶要旨 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

原爆の犠牲となられた方々の御霊に謹んで哀悼を捧げるだけでよい。
軍縮原発事故まで言って政治ショウー化している。