談話を考える

日韓併合はすでに歴史であり、消せるものではない。



村山談話
「国民全体として」お詫びの気持ちを表す… 談話でどうにでもなるものでない。個人的な思い入れとしか思えない。

村山内閣総理大臣の記者会見
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談話の中で総理は、「国策を誤り」という表現、更に「侵略」と「植民地支配」ということを明確に表現されてますが、この表現から当時の政策決定全体に何らかの責任があるというふうに、我々は読めるのですが、この表現の持つ意味、それから当時、日本の元首であり、統治権を総攬する立場にあった天皇も含めて、責任の及ぶ範囲をどのようにお考えか。お伺いできますか。

総理 天皇の責任問題につきましては、戦争が終わった当時においても、国際的にも国内的にも陛下の責任は問われておりません。今回の私の談話においても、国策の誤りをもって陛下の責任を云々するというようなことでは全くありません。天皇陛下がひたすら世界の平和を祈念しておられ、先の大戦に際しても、解除をするための全面的に努力もされており、また、戦争終結のご英断を下されたことは良く知られているところであると思います。私は、植民地支配と侵略といったようなことにつきましては、あの戦争によって、多くの国々、取りわけアジア近隣諸国の国々に対して、多大の損害と苦痛を与えてきたという認識については、明確に申し上げておいた方がいいと、同時にそのことについて謙虚に反省もし、国民全体としてお詫びの気持ちを表すということが、五十年の節目にとって大事なことではないかというふうに考えて申し上げたところであります。

次に、諸外国から戦争被害者、個人の方から、日本政府に対して賠償請求が相次いでおりますが、従来、日本政府は、これに対して裁判所の判断に任せるという対応を取っていますが、今回の談話でこれだけ明確に責任の所在を表明された以上、今後、訴訟や各種要求に対して、どのような対応を取られていくのか、変更があるのか、お伺いしたいと思います。

総理 従軍慰安婦の問題を始めですね、諸外国の人々から損害賠償や国家補償を求める訴訟が提起されていることは承知をいたしております。しかし、先の大戦に係わる賠償、財産請求権の問題につきましては、日本政府としては、既にサンフランシスコ平和条約、二国間の平和条約及びそれとの関連する条約等に従って誠実に対応してきたとこでございます。したがって、我が国はこれらの条約等の当事国との間では、先の大戦に係わる賠償、財産請求権の問題は、所謂、従軍慰安婦の問題等も含めてですね、法的にはもう解決が済んでいるというふうに思っておりますので、今お話のございましたような個人補償を国として行う考えはございません。このような立場に立って、所謂、従軍慰安婦の問題等、現在取り組んでおる戦後処理の問題についてはですね、これからも誠意を持って対応していきたいというふうに考えておるとこであります。

「国策を誤り」とありますけれども、これだけ断定的に言われる以上は、どの内閣のどの政策が誤ったかという認識があるか、明確にお示しください。

総理 戦後五十年の節目の年に、あの当時のことを想起してまいりますと、やっぱり、今申しましたようにアジア近隣諸国、多くの国々において、多大の損害とその苦痛を与えてきたというこの事実はやっぱりきちっと認識をする必要があるというふうに思いますから。どの時期とかというようなことを断定的に申し上げることは適当ではないのではないかというふうに考えています。

‐侵略について。これまで侵略行為と言ってきたことを侵略と言い換えた理由は何ですか。

総理 これは先程来申し上げておりますように、過去の一時期に、そうした行為によって、多くの国々、取りわけアジア近隣諸国の皆さんに多大の損害と苦痛を与えてきたということを認識をする、その認識を表明したのでありまして侵略行為とか侵略とかいう言葉の概念の使い分けをしている訳ではございません。

○総理 どうもありがとうございました。
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ソース:http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~worldjpn/documents/texts/docs/19950815.S1J.html