千葉法務大臣の死刑見学

西村真悟氏には早く議員に返り咲いて欲しい。

さて、佐賀に向かう前に、このコンピューター不調のため入力できなかったのであるが、千葉法務大臣の「死刑見学」について遅ればせながら一言述べておきたい。
 まず、私は、死刑制度については、それを是とする者である。死刑を廃止すべきであるとは思わない。
 その上で、千葉景子という者に、見学される中で死刑を執行された二人に死刑囚が気の毒でならない。
 何故か。
 それは、彼らが「公開処刑」されたからである。
 
 北朝鮮や中国共産党の処刑は、公開で人を殺す。これらの国では、見学者が、「人が殺されるとき、どんなんかなー」という好奇心で押しかけて処刑を見つめ、人が死ぬのを見てから「あーいやだ、死刑はいやだ」と得心してあのようになってはならないと思う。こういう「教育効果」を期待し、何よりも権力者が権力を誇示して処刑を公開している。
 
 さて、千葉景子であるが、この者は、死刑には反対である。
ところが、法務大臣であり、死刑執行命令を下す立場にある。
 そこで、彼女はこう考えた。一度死刑を見学し、死刑の惨たらしさを実際に見た者として死刑反対論を展開すれば、説得力が格段とますであろう。そして、一般人にも、処刑場を公開すれば執行の惨たらしさは想像してもらえるであろう。

 このたびの二人の死刑囚は、自らの死によって罪を償わねばならない立場にあった。しかし、彼らが強制されるのはそれだけであって、死刑反対のおばはんの好奇心を満足させるために、さらに、後日の死刑反対論議の参考とするために、「自分の死に様」をこのような者にのぞき見されるという屈辱を強いられるいわれは全くない。千葉景子も法律家なら、それくらいの節度は分かるはずだ。
 千葉景子は、二人の死刑囚の「死の尊厳」すなわち「命の尊厳」を辱めたのだ。
 死刑反対の左翼でありどういう訳か法務大臣であった千葉景子が、落選しても大臣を辞任せずに死刑を執行し、それを見学したと報道で知ったときに、彼らはかわいそうに「公開処刑」されたと思った。
 考えてみれば、公開処刑をしている中国共産党も、北朝鮮労働党も、千葉景子も、皆左翼、唯物主義者である。そして、ともに権力にしがみついて酔う者である。
 死刑を見学しているとき、千葉景子は、身を拘束された「この小さき者」に対する権力を実感し快感に満たされたのではないか。

(前衆議院議員)
西村真悟 8月1日、慰霊の月に入った 」より