市ヶ谷の防衛庁本庁構内を見学した人の感想


そこで防衛庁職員の話を聴いた。おもに「東京裁判」に関することであるが、さすがに大変よく勉強していることを感じさせた。「東京裁判」の不当性をはっきり指摘したうえで、被告全員の無罪を主張したパール判事(インド人)のエピソードを紹介していた。なかでも、昭和27年に同判事が再来日した時の記者会見でのエピソードが印象深かった。記者の一人が、「被告全員無罪を主張したのは、日本人を哀れんでのことではなかったのか?」との趣旨の質問に対し、パール判事は机をたたいて激怒し、「そのような質問は私を侮辱するものだ」と答えたそうだ。くだんの記者は、その怒りにもめげず「それではなぜ無罪を主張したのか?」とさらに突っ込んだところ、「日本人を罰するなら、その前に欧米人を罰するべきだからだ」と答えたそうだ。第二次世界大戦で日本人がやったことは、いままで欧米人がやってきたことの延長線上のものだと言うことだ。罪は法に従って罰せられるものだが、「東京裁判」の判事のなかで唯一国際法に通じていたパール判事は、日本人を罰すべき法律が存在しなかったことを知っていたのだ。戦争そのものは今でも犯罪ではなく、紛争解決の手段の一つとして認められている。「東京裁判」は、「裁判」とは名ばかりで、弁護側の証拠や主張を一切認めない「勝者の裁き」であり、裁判史上の汚点とも言うべきものである。これが、「東京裁判」の虚と実なのだ。


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"http://www.asahi-net.or.jp/~xx8f-ishr/aa_sounannda.htm"