1964年(昭和39年)10月10日東京五輪・ブルーインパルス

知らなかった。
記録集計にコンピュータを使用していて世界記録が即座に表示されていた、女子バレー大松監督の話を聞いたのを思い出す。



『昭和の特別な一日』 杉山隆男/著 新潮社 2012年発行

上空1万5千フィートの東京五輪 (一部抜粋しています)

鳩が放たれ、「君が代」が流れ、五輪のマークが空に描かれる。そしてテレビの中継は、ロイヤルボックスから開会式の模様をながめていた皇后が傍らの昭和天皇に声をかけ、ほら、とでもいうように笑顔で空を見上げている映像を映し出していた。

5人の航空自衛隊パイロットはオリンピック組織委員会からのオーダーに完璧に応えてみせたのである。

国立競技場の上空はマークを描く5機のF86よりさらに高い空からのその様子を息を詰めて見守っていた鈴木(防大1期生)は、彼らが旋回に入り、輪をかきはじめた時点で、これはいい、とすぐにわかった。

輪と輪のほどよい感覚も、機体の後尾から吐き出されるスモークがおむすびの形になることなく、なだらかに弧を描いているところもこれまでとはまるで違う。百数十回挑戦しながらただの一度として成功したことがなかったのにと、本番ではものの見事にやってのける。5人こそほんとうのプロフェッショナルだ、と鈴木は思った。

旋回を終えた5機はいっせいに機首を上げ、2万フィートまで上昇した。彼らはそこではじめて自分たちが描いた輪を目にしたに違いなかった。

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著作権「死後50年」は本当に短すぎるか?

著作権「死後50年」でも長すぎると考える。短くすることは無理だろうなぁ。


「著作権切れ」の書籍を出版している出版社の声


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大詰め迎える保護期間延長問題
福井健策弁護士

 6月6日放映のテレビ東京ワールドビジネスサテライトWBS)」は、交渉大詰めのTPP知財特集だった。その前には日本経済新聞http://www.nikkei.com/article/DGXDZO54918090R10C13A5TCJ000/)や東洋経済など、TPP知財をめぐる大型のまとめが続いている。WBSは前半が著作権期間延長などコンテンツ面での危惧、後半は医薬品など特許方面の輸出の期待。概ね、手堅い特集だった。最後のコメンテーター(高橋進氏)の、「短期には日本に損でも知財強化のルール統一のメリットが上」という、大雑把極まりないまとめを除けば。



 待ってくれ。まず同じ知財でも著作権と特許は全く別個な存在で、TPPではそれぞれ多数の条文が参加国の対立を招いている(http://www.kottolaw.com/column/000438.html)。そのうち「著作権の期間延長」ひとつとっても、現代を代表する知性たちが過去に激論を交わして来た問題だ。それを「知財」とひとくくりにして、「どのルールをどう統一するとどんなメリットがあるのか」の具体例もないまま、「統一」の一言でまるで知財は全部OKのようにまとめて終わりなのか。

 恐ろしいのは、国のレベルでもこの程度の認識で方針が決まり、「是々非々で個別メニューごとの交渉→その結果を総合判断して妥結」という、国際交渉では当たり前の前提にすら至らないことだ。

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