格付業者のフィッチが

■フィッチ、自社の信用格付能力のなさを露呈
格付業者のフィッチが日本の長期格付を、AA−(自国通貨建)・AA(外国通貨建)からA+に引き下げました。これまで、自国通貨建債務の格付が外国通貨建債務格付よりも低かったという意味不明の格付ですが、これをどちらも「A+」の水準に落とした、ということです。ただ、残念なことに、日本の債券市場は恐らくこの格下げを無視するでしょう。消費税引き上げを政権の使命のように考えている野田政権にとって、記事2番では、この格下げが「政権の追い風になる」といった指摘をしています。ただ、日本という国家が日本の主権の信認を裏付けとして通貨を発行し、それと同じ主権が同じ通貨による債券を発行しているのに、ユーロという共通通貨圏や企業社債と同じような考え方で債務償還能力を論じてしまうから、こんなおかしな結論になるのでしょう。ちなみに、国内に資金が足りなくて貿易赤字を垂れ流していても、英国や米国のように、「トリプルA」かそれに近い格付を維持している国もあります。格付業者のロジックは、色んな意味で破綻しているのです。
ただ、ギリシャの債務危機と日本の公的債務水準を同列に論じるという過ちは、日本のメディアも繰り返しています。その意味で、FTも日本のメディアも、「五十歩百歩」といったところでしょう。
日本の債券投資家にとって、一つ良い事があるとすれば、バーゼル規制上日本の外部格付が下がる事により、外国の銀行が日本国債を保有する際のリスクウェイトが上昇することになります。従って、短期的には(タダでさえ少ない)外国銀行による日本国債売りによる金利上昇を享受することが出来る、という点です(但しその効果は極めて限定的でしょうけど)。この格下げにより、ますます外国人投資家が日本国債を保有できなくなり、ますます日本国債は国内消化され、ますます日本国債の安定性が強化されるという、素敵な効果を期待したいところです。

英国時間2012/05/22(火) 13:57付 (日本時間2012/05/22(火) 21:57付)FTオンラインより (http://www.ft.com/intl/cms/s/0/631baac6-a401-11e1-84b1-00144feabdc0.html#axzz1vWtwID7h

IFRS断固阻止!新宿会計士のブログ


【消費増税工作?】フィッチ、日本国債は中国よりも下[桜H24/5/23]
http://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=rW5mGFt-X-A
格付けは格付け会社がたのまれもしないのに勝手につけているだけ­。

【経済主権】国債とTPP、職務放棄の日銀とマスメディア[桜H24/5/24] - YouTube