Xとは

6.2.2 X のクライアント/サーバモデル
X は最初からネットワークを意識してデザインされており、 “クライアント - サーバ” モデルを採用しています。


X では、“X サーバ” はキーボードやモニタ、 マウスが接続されたコンピュータ上で動きます。 このサーバはディスプレイの表示を管理したり、キーボード、 マウスからの入力を処理したり、他の入出力装置 (すなわち、入力装置として “タブレット” を利用できますし、 出力装置としてビデオプロジェクタを利用することもできます) を取り扱います。 各 X アプリケーション (XTerm や Netscape® など) は “クライアント” になります。 クライアントは “この座標にウィンドウを描いてください” といったメッセージをサーバへ送り、サーバは “ユーザが OK ボタンを押しました” といったメッセージを送り返します。


家庭や小さなオフィスのような環境では、X サーバと X クライアントは同じコンピュータ上で動くことになるでしょう。 しかし、X サーバを非力なデスクトップコンピュータで動かし、 X アプリケーション (クライアント) は例えばオフィス全体を捌くような 高機能で高価なマシンで動かすことも可能なのです。この場合、 X のクライアントとサーバの通信はネットワーク越しに行なわれます。


これは、ある人々を混乱させることがあります。 X での用語は彼らが想定するものとは正反対だからです。 彼らは “X サーバ” は地下にある大きなパワフルなマシンであり、 “X クライアント” が自分たちのデスク上にあると想像するのです。


X サーバとはモニタとキーボードがついているマシンのことであり、 X クライアントとはウィンドウを表示するプログラムだということを覚えておいてください。


X のプロトコルには、クライアントとサーバのマシンが同じ OS で動いていなければならないといったことを強制するものはなにもありませんし、 同じ機種で動いている必要もありません。 X サーバを Microsoft WindowsAppleMac OS で動かすことも可能ですし、 そのようなソフトウェアもフリーのものから商用のものまでいろいろとあります。


引用元:X を理解する
http://www.freebsd.org/doc/ja/books/handbook/x-understanding.html