システムの最適化および回復のためにページング ファイルを構成する方法

ページング ファイル (Pagefile.sys) とは、コンピューターのハード ディスク上にある隠しファイルであり、Windows XP はこのファイルをランダム アクセス メモリ (RAM) と同じように使用します。ページング ファイルおよび物理により仮想メモリを構成します。既定では、Windows はブート パーティション (OS および OS のサポート ファイルを含むパーティション) にページングファイルを格納します。既定のページング ファイル サイズは合計 RAM 容量の 1.5 倍です。ただし、この既定の構成が最適ではない場合もあります。この資料では、システムの最適化および回復のためにページング ファイルを構成する方法を説明します。

パフォーマンスを向上させるため、異なるパーティションおよび異なる物理ハード ディスク ドライブにページング ファイルを配置することをお勧めします。これにより、Windows は複数の I/O 要求をよりすばやく処理できます。ページング ファイルがブート パーティションに配置されている場合、Windows はシステム フォルダーおよびページング ファイルの両方に対して読み取り/書き込み要求を実行する必要があります。ページング ファイルを異なるパーティションに移動させると、読み取り/書き込み要求の競合が減少します。

ただし、ブート パーティションからページング ファイルを移動させると、Windows はカーネル モードの Stop エラー メッセージが発生した場合にデバッグ情報を書き込むダンプ ファイル (Memory.dmp) を作成できません。これにより、Stop エラー メッセージのトラブルシューティングのためにデバッグを行う必要がある場合のダウンタイムが長くなる場合があります。

最善の解決方法は、ブート パーティションにページング ファイルを作成して格納してから、異なる物理ハード ディスクを使用可能であればそのハード ディスク上にある、ブート パーティションほど頻繁にアクセスしない別のパーティションにページング ファイルを作成することです。また、データや OS 用のファイルを含まない専用パーティションに 2 つ目のページング ファイルを作成することもお勧めします。仕様により、Windows はアクセス頻度の高いブート パーティションにあるページングファイルよりも、アクセス頻度の低いパーティションにあるページング ファイルを優先的に使用します。内部アルゴリズムを使用して仮想メモリの管理に使用するページング ファイルを決定します。

専用パーティションにページング ファイルを設置する場合、ページング ファイルは断片化しません。これも大きな利点です。他のデータを含むパーティションにページング ファイルが配置されている場合、必要な仮想メモリ容量の増加に対応してファイルのサイズが大きくなった場合に、このページング ファイルが断片化する可能性があります。断片化していないページング ファイルでは仮想メモリへのアクセスが高速になり、重大なエラーなしでダンプファイルを作成できる可能性が高まります。

これらの推奨事項を実行することによって、最適化と回復のためにページ ファイルを構成する目的が次のとおり達成されます。

・コンピューターでカーネル モード STOP エラーが発生した場合に、Memory.dmp ファイルが作成されるようにシステムが正しく構成される。
・アクセス頻度の低いパーティションは使用頻度が最も低いため、そのパーティション上のページ ファイルが最も頻繁に使用される。
引用元: http://support.microsoft.com/kb/314482/ja