天皇陛下のご感想(新年に当たり)

 昨年は春には東日本大震災が起こり、夏から秋にかけては各地で大雨による災害が起こり、多くの人命が失われ、実に痛ましいことでした。また、原発事故によってもたらされた放射能汚染のために、これまで生活していた地域から離れて暮さなければならない人々の無念の気持ちも深く察せられます。昨年は誠に心の重い年でした。そのような状況の中で、皆が互いに助け合い、また多くの人々が被災者の支援に力を尽くしていることを心強く思っています。

 今年は、復興に向けて様々な計画を立て、将来への指針を選択していく年であるとともに、がれきの処理を始めとする多くの困難な業務に取り組まなければならない年になると予想されます。人々の英知が結集されるよう、また業務に携わる人々の作業が安全に行われるよう、願ってやみません。

 日本は大震災の影響等により現在厳しい状況にありますが、皆が被災者に心を寄せつつ、力を合わせ、明日の社会を築くために忍耐強く力を尽くしていくことを期待しています。

 この年の我が国及び世界の人々の安寧と幸せを祈ります。