パスポートのローマ字がヘボン式なのはなぜなのか

やっと経緯がわかった。

RōmajiかRōmaziかの読者から、パスポートのローマ字がヘボン式なのはなぜなのか、という趣旨の御質問があった。それは端的に言えば、GHQ統制下における「旅券発給申請書」には、ヘボン式ローマ字を用いるよう定められていたからだ。たとえば、昭和26年12月1日外務省令第26号「一般旅券発給申請書等の様式に関する省令」の第1号様式には、以下の注意書きがある。

氏名には右側にふりがなをつけること、但し、旧旅券にヘボン式によらないローマ字でその氏名が記載されてあるときは、そのローマ字を附記のこと

これはつまり、当時の日本人が新しくパスポートを作る際には、基本的にヘボン式ローマ字で氏名が記載された、ということを意味している。この注意書きは、GHQ撤収後も、昭和30年8月16日外務省令第4号「旅券の申請様式に関する省令」の第2号様式で、以下のように強化されている。

漢字とヘボン式ローマ字を併記のこと、ただし、旧旅券にヘボン式によらないローマ字で記載あるときは、そのローマ字をカッコ内に附記すること。

その後の「一般旅券発給申請書等の様式に関する省令」や「旅券法施行規則」においても、パスポートにおけるヘボン式ローマ字は踏襲され、現在に至っているというわけである。
ソース:
http://slashdot.jp/~yasuoka/journal/524870