協力者指紋

メモ。

元刑事をやっていたものです。
 盗難被害にあった際の協力者指紋は、特殊なインク(手につけても油のような感じのインク)と用紙を使用しており、これらはワープロの感熱紙と同じような原理のため、長期(3ヶ月以上)の保存が出来ません。
 また店舗や民家などにはいる侵入盗といわれる盗難事件は、各都道府県下で一日に数十件から百数十件発生しています。
 よって、1件の盗難で、平均5人から10人程度の協力者(家人や従業員)指紋を採取することになるので、それらを長期保管する場所がありませんから、当該盗難事件の協力者指紋を現場で採取した指紋と照合し、有ってもおかしくはない指紋を削除して、該当しない現場で採取した指紋を容疑者の指紋として、保存するのです。
 よくテレビドラマなどは、過去の犯罪者の指紋をコンピューターに登録し、現場で採取した指紋をコンピューターで照合をして、犯人を特定するというシーンが見受けられますが、あれはドラマのみの話しで、実際には、というかそれだけの機材を購入するのにかかる費用と、効果を考えると、何もメリットがありませんので、現在の日本の警察では導入していません。
 従って、協力者指紋を保存するよりも、犯人の指紋を採っておくことの方が大切なため、協力者指紋は、1ヶ月単位で、警察官が焼却しているのが現実です。
 弁護士さんが云々といわれている方がみえますが、弁護士は、実際の警察の捜査活動をほとんど知りませんから、そのような誤解を一般の方に言って混乱が起こるのです。