農業が高い関税率で保護されている?

「農業保護というより地域保護です。」の言い方はよく理解できる。

一般国民には、農業が高い関税率で保護されているという誤解があります。この誤解から、TPPになればもっと安く食品が買えるという錯覚が生じています。

そして財界は日本農業過保護論を言い立て、あたかも農業こそが自分たちの国際競争力を妨げていると言っています。事実誤認からくるトンデモ論です。

事実は、日本の農産品の輸入関税は世界でも最も低い方に属しています。平均16%です。これは財務省の関税表をみればすぐに分かることです。
財務省貿易統計 実行関税率表

野菜のような10%以下のほうが圧倒的であることがわかるはずです。ただ、地域を支える基幹産品である乳畜産物、サトウキビ、コンニャクなどに例外的に高い関税がかけられています。これは農業保護というより地域保護です。

確かに、コメや乳製品には特出して高い関税をかけちれていますが、このような高い税率は例外中の例外です。米国はこのわずかな例外を狙って攻撃をしかけてくるはずです。

そして米国のカーク通商代表は、「TPP交渉において例外品目はない」と明言しています。おそらくコメ、小麦、乳畜産物の防衛は、いったん参加してしまえばほぼ不可能になると思ったほうがいいでしょう。


引用元: 農と島のありんくりん,
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